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【支援コラム】LD(学習障害)を持つ大学生の現状と、大学内ですぐ取り組める具体的な支援策

LD(学習障害)によって、大学の講義・テスト・レポートに大きな困りごとを抱える学生が見受けられます。では、LDとはどのようなもので、それぞれどのように配慮をすればいいのでしょうか。

LD(学習障害)は大学の講義内でどんな影響を及ぼしているか?

 LDとは、学習面に関する特定の分野に関して困難さが見られる障害のことです。特定の分野であることが特徴で、全体的な知能には遅れが見られないものの、学習面の一部で遅れが見られます。勉強の好き嫌い、学習量と関係なく、脳機能の影響による困難さとなります。大きくは、以下のような困りごとが生じます。
「読み」・・・似たような文字(例:シとツ)が認識できない、文字がねじ曲がって見える、飛ばし読みになるなど文章を読むことが苦手などの困りごとが生じます。
「書き」・・・鏡文字を書いてしまう、文字の大きさがバラバラ、字が異常に汚い、思考を文章にまとめることが苦手などの困りごとが生じます。
「算数」・・・数字の認識が難しい、四則演算の一部が認識できない、図形問題を解くことが苦手などの困りごとが生じます。
これらのうち特定の現象が生じることで、大学生活においては学習面で問題になることが多いです。
 例えば、ある学生は文章作成が極端に遅く、毎回ミニレポートを書く必要のある講義について講義時間内での提出ができず、単位を落としてしまいました。そこで、翌年は教員・学生相談室と相談し、授業終了後のメールでの提出を可能としたところ単位を無事に取得することができました。

診断書のないレベルでLDを抱える学生は実は多い

 高等教育機関である大学においてLDのある学生は少ないのでは、と思う方もいるかもしれません。平成 28 年度(2016 年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書(独立行政法人日本学生支援機構)によると、2016年時点で医師からの診断書のあるLDの大学生は132名と、他の発達障害のある大学生と比べても少数となっています。しかし、実際には、診断書のないレベルで、LDのある学生は多く見られます。問題が限定されているため、特別な配慮を受けずに苦労しながらも卒業していく学生も多いです。
例えば、ある文学部の学生は、かけ算・わり算ができないという特性がありましたが、学部の授業で計算を行う必要性がなかったため、単位を順調に取得しました。しかし、就職活動を始めたとき、筆記試験が全く合格しませんでした。キャリアセンターの職員と相談をした結果、応募する企業を筆記試験のない企業に絞り、無事に内定を得て卒業していきました。

ちょっとした配慮がLDのある学生に大きな支援に繋がる

 では、LDのある学生に対し、どのような配慮を行うことができるでしょうか。LDのある学生に対する配慮は、ほとんどが学習面に限定されます。
まずは、講義内の困りごととその対応方法についてです。
理解できないままスライドが進んで行く、授業についていけないという困りごとがある学生については、教員が投影資料を別途印刷して渡す、録音を許可するという対応方法があります。
また、ノートを取りきれない、文字が書けないといった困りごとのある学生については、黒板の写真撮影を許可する、ノートテーカーを配置する、という対応方法があります。

LDのある学生に、テストやレポートへはどんな配慮が適切か?

 テスト・レポートといった、単位取得に密接に関わる状況ではどのように配慮したらよいのでしょうか。まず、前提として「必要な学習ができているか」「公平な成績評価」ができているか、という2点を担保する必要があります。その上で、学生からの申し出に合わせて具体的な配慮を行います。
 テストについては、文字の認識が困難であるなどの理由から制限時間以内に終わらないという困りごとが生じることがあります。対応策としては、テストを拡大コピーして読みやすくする、テスト時間の延長を認めるというものがあります。
 レポートについては、提出された文字を読むことができない、提出期限に間に合わないといった困りごとが生じることがあります。対応策としては、手書き制限のあるレポートについてパソコンでの作成を認める、提出期限を伸ばすといった対応策をとることができます。

このような個別状況に対応した配慮を行うことで、LDのある学生が公平な形で必要な学習を行う環境を作り上げていきましょう。

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